Re: 変身(小田)
こんにちは。脚本家の小田春です。
こうして「脚本家です」と名乗ることにも恥じらいがなくなり、良い感じに馴染んできました。
どうも、脚本家の小田春です(どや)。
楽しい時間は過ぎるのが早いですね。もう本番です。
一か月。愛おしくて、楽しかったです。
光のように過ぎていった稽古期間で、「エマージェンシー・ワン」は私の想像を大きく超えるものになりました。
私は当初、キャラクターたちはもっと冷たい人間たちだと思っていました。
愛情はあるけれど、どこか私たちのいうそれとは違うような。自分本位が上手に噛み合った集団。
しかし、稽古が進むにつれてキャラクターたちはどんどん人間らしく、優しく、可愛らしくなっていきました。
お互いを優しい目で見守り、助けが必要な時は手を差し伸べる。これは多分、ぱる公の面影です。ふふ。
一人ひとりに生い立ちがあり、哲学があり、愛情があります。
それがお互いの手によって守られています。
闇街は存在しています。
本当に愛しいです。
思えば、私はこの稽古期間で大きく成長しました。
エマワンが始まる前、笛での活動を通して、初めて私は演劇を嫌いになれるのだと気付きました。
演劇は手間のかかる芸術です。人がいないと始まらないし、お金も時間もかかります。意見の衝突なんて当たり前。
それが少し、怖く感じられてしまったのですね。
演劇がなければ生きられないと思っていたのに、その絶対的なものが急に不確定になったようでした。
それでも、はるあさんを始めとしたぱる公の皆さんが関わってくださる中で、私が演劇を通して何をしたいのかが少しずつ見えてきました。
私はきっと、演劇を通して人に優しくしたいのです。
役者として、脚本家として、人として、自分の不可侵な部分が形作られたように思います。
演劇を知らずとも生きていけます。けれど、演劇に生かされている人間もいます。
そうして私は今日も劇場にいます。
偉大な作家の力を借り、やっとの思いで書き上げた「新説・銀河鉄道の夜」の大成功から早三か月。
今作「エマージェンシー・ワン」は自分の大切な人たちのために、自分の力で書くことができました。
「私には書けるわけがない」と諦め、画面の向こうを羨んで泣いていた高校時代の私に言ってあげたい。
「大丈夫、あなたは書けるよ。でも、今じゃない。『何が何でもあなたのために書きたい』と思わせてくれる人たちにきっと出会えるからね」と。
私はあなたがいるから言葉を紡ぐのです。
どうも、脚本家の小田春です。
本番。全身全霊で参ります。
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『エマージェンシー・ワン』
作:小田 春 演出:田中 晴愛
⏰公演日
2023年3月3日(金) 19時開演(30分前会場)
🚩場所
クリエイティブスペース赤れんが ホールII
💰料金
一般 1500
学生 1000
※事前予約割→300円引
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